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2008年12月

社内ヘルプデスクが行わなければならない記録

まだ簡単に数えられる程しか書いていませんが、今回が今年最後の更新になります。

社内ヘルプデスクは、その仕事の全てを記録する必要があります。記録の大きな目的は、「品質維持」と「妥当性評価」です。

「問い合わせ対応」や「申請による作業」などの記録を残すことは、「複数のスタッフ間で情報を共有して誰でも対応出来るようにする」「対応残の処理漏れをなくす」「品質(対応内容や対応時間)を確認する」という事が行えるようにするだけでなく、「過去事例を参照して問題を早期解決する」「傾向分析を行って業務を改善する」という事にも繋げる事ができる基礎となります。これらは全て、記録があって初めて実現出来ることであり、記録がなければ何も出来ません。

また、記録を1日単位で束ねると日報になり、1ヶ月で集約すれば月報になります。会社全体で考えると、この「何にどれぐらいの時間を費やしたか」がその行為の「原価」となり、それが会社の事業を考えた際に妥当だったのかどうかで、次にそれをどうするかを決める事ができるようになるのです。たとえば、 Office系ソフトウエアの質問に対する回答を行う時間がかなり多く、社内で講習会を行ったほうが良いと考えたとします。しかし、それを行うためには新たな費用が発生する事になるため、行うべきかどうかを判断するための材料として、過去の記録を用いるわけです。担当者の感覚ではなく、客観的な評価が可能な情報を揃える事が出来た結果、会社としてそれを行うべきかどうかの判断が可能になるわけです。

ここで言う記録は結局、「何に対して何時何分から何時何分まで何を行ったのか」という明細を積み上げる事になります。この記録を取る事は、それ自身にとても手間がかかります。既に社内ヘルプデスクの業務に取りかかっている人は「記録を取る暇なんてない!」という事を仰る場合もよくあります。しかし、そういう方は是非考え方を変えて下さい。記録は暇だから残す、というものではなく、記録を残す事までが社内ヘルプデスクの最低限の業務であり、社内ヘルプデスクに取り組む事の醍醐味は、その記録を用いて次の行動を起こす事なのです。

それに、記録は「仕組み」を工夫しさえすれば、効率的に収集し、活用出来るデータとして処理する事が可能になります。社内ヘルプデスクはパソコンを使う事に関してはプロフェッショナルです。自分たちが行う仕事に対する記録をとる仕組みは、自分たちで使いやすいものを作ってしまえば良いだけの事です。なにも、社内ヘルプデスク用の高いソフトウエアを購入する必要はありません。具体的な仕組みの作り方については、別のところで紹介します。(勿論、欲しければ高いソフトウエアを購入しても良い構いません。恐らく、そういったソフトウエアはITILの思想を反映した作りになっており、それを元に業務を構築する事で、世の中に通用する一定レベルを確保できると思います。会社の規模、目指したい方向、予算により検討すれば良いでしょう。)

次回はいよいよ具体的な話を紹介します。

来年もよろしくお願いします。

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社内ヘルプデスクの仕事概要

社内ヘルプデスクの仕事として考えられる対象を、大雑把に書いてみます。

システム利用者との窓口。問い合わせ対応や、システムメンテナンスのお知らせなど。
システム利用者からの申請受領と、それに伴う作業。
パソコンやプリンタの選定、購入、設定、設置、撤去、保守手配、廃棄など。
パソコンやシステムの維持、メンテナンス(ウイルス対策ソフト更新)など。
ネットワークや業務システム、各種サーバの監視、保守手配など。
パソコン関連機器の資産、ライセンス、保守情報、リース情報管理など。

社内ヘルプデスクは殆どの場合、「運用」と称される業務を対象とします。その中でも特に、「システム利用者との窓口」を中心に、パソコンやプリンタと言った、多くの人が普段から業務で使う機器、及び、それらを使って出来ることを対象に業務を行います。

「ネットワーク」や「業務システム」「各種サーバ」に関して、「開発(構築)」という部分は、社内ヘルプデスクではなく、開発を担当する組織が行うことが多いです。その場合、社内ヘルプデスクは完成したそれらを使って行う業務のサポート、及び、それらがきちんと動いているかどうかの「監視」や、機器が故障した場合の「保守手配」を担当します。この役割分担は結局のところ、「開発に必要とされる人を動かすためにはお金が掛かる」という事だと思います。「社内ヘルプデスク」に限らず、社内システム関連の組織は直接的な利益を生みません。そのため、出来るだけ少ない予算で効率的に運営する事が求められます。そこで、開発は「誰でも対処できる簡単な仕組み」を作ることを、そして、社内ヘルプデスクはその仕組みを安く回す事を求められるのです。(ただ、実際には、後々の運用の事までよく考えずに開発してしまう場合も多々あるのですが。)

さて、そんなわけで、システム利用者から見た場合の社内ヘルプデスクの仕事を無茶苦茶乱暴に一言で表すと、「パソコン関係の雑用」という事になります。なんせ、売り上げが立たない仕事ですからね。言葉は悪いというのを承知の上で書きました。実に分かりやすいですよね。

しかし、実際には「雑用」では済まないのがヘルプデスクの仕事です。ここできちんとお伝えしておきたいのは、少なくとも経営陣はヘルプデスクを雑用と捕らえていてはいけない、という事です。もしこのブログを読んで下さっているあなたが経営者としての立場であるなら、ヘルプデスクの仕事をきちんと定義し、社内における役割と責任を明確にして組織運営するべきです。もしあなたがヘルプデスクを担当する立場であるなら、自分が行うべき仕事を明確にして、その価値を経営陣にきちんと理解させなければなりません。そうしないと、「社内ヘルプデスク、もしくは、社内ヘルプデスク的な業務をやらされている人は、会社にきちんと評価されない雑用に時間を割かれ、時にはその責任を負わされる。」という悲しい事になってしまいます。

そんなわけで、個々それぞれの業務に何が必要で、どういう考えを持ってそれを作っていく必要があるのか、という事を紹介していきたいのですが、その前に、次回は記録を取るという事について書きたいと思います。

よろしくお願いします。

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社内ヘルプデスクはどういう組織なのか

しばらくは、全体的な事を書いていこうと思います。

まず、大前提として理解しなければならないのは、「社内ヘルプデスクだけで問題を100%解決する事は不可能である。」という事です。いきなりこう書いてしまうと「何のための社内ヘルプデスクなんだ?」と思われてしまうかもしれませんが、落ち着いて考えると理由はすぐに分かります。たとえば、何らかの装置が壊れたとします。それが自分で修理できない物の場合、修理の手配を行う事になります。修理が行われて元の状態に戻る(復旧)までの間は、その装置が使えないという状況に変わりありません。

勿論、あらかじめ「予備の装 置と交換する」「代替手段が用意されている」というような場合は、それを活用することが出来ます。しかし、その準備がなければ、修理が終わるまでひたすら待ち続けるだけになってしまいます。社内ヘルプデスクを担当するのはスーパーマンではありませんから、何でもかんでもすぐになんとか出来る、、、なんて事はないわけです。

そもそも、こういった話は、「リスク管理」と、それに応じた「システム設計」による部分です。社内ヘルプデスクはあらかじめ想定され、用意されていた対処方法を実施する事は可能ですが、用意されていない事に対しての対応は原則として行えません。つまり、全てのリスクが明確 で、それらに対して万全の用意をしておく事は予算的に不可能ですから、冒頭の「社内ヘルプデスクだけで問題を100%解決する事は不可能である。」という事になるのです。

では、社内ヘルプデスクは、一体どういう事を狙う組織なのでしょうか?

社内ヘルプデスクは、「システム利用者が業務を継続できる状態を保つ」ために存在する組織です。それは装置故障のような障害に限らず、パソコンの使い方が分からないというような事や、プリンタが用紙切れで停止してしまっている、というような事まで含めて「業務を継続できる状態」を維持するために必要な事を常に行うという事です。たとえば、「装置故障」の場合、「装置を修理する」と言った「問題の解決」も大切ですが、社内ヘルプデスクが本当に優先させるべきなのは、「装置故障」により止 まってしまうシステム利用者の業務を、短時間で再開させるという事です。たとえばこの場合は、修理までに時間がかかるのであれば、代替の装置と入れ替える作業を行う、もしくは、そのための用意がなければ、修理できるまでの時間を正確に案内して、システム利用者にその間は別の業務を行ってもらうようにすると言った「暫定的な対処」を行うという事です。それにより、「装置故障」が会社の事業に与える影響を最小にするという事が、社内ヘルプデスクに求められることです。

こう考えると大袈裟かもしれませんが、どうも何かの業務の片手間では出来そうにないな、という感じになってきました。そんなわけで、次回は、社内ヘルプデスクの仕事の概要を書いてみたいと思います。

よろしくお願いします。

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はじめに

多くの人がパソコンを仕事に使えるようになったのはいつ頃だったでしょうか。なんとかパソコンで業務が出来るようになった当時は限られた人の机の上、もしくは、共有の場所にしかなかったものが、いつの間にか全ての席に据えつけられているばかりではなく、1人が2台や3台ものパソコンを使っている事が珍しくない時代が来てしまいました。

パソコンは1度買ってしまえば、後は誰でも使いこなせる「電卓」とは異なり、買った後に色々な手間がかかります。使えるようにするだけでも大変な上に、使い方によってはうまく動かなくなってしまったり、使うために色々な事を覚えなければならなかったり、さらには、使い方を誤ると仕事がパーになってしまったり、データがネットに流出してしまったりと、仕事の効率化が本当に達成できているのかどうかが不安になってしまうような、そんな道具でもあったりします。

そんなパソコンを社内で有効活用するためには、パソコンの一般的な知識を持ち、かつ、社内の業務事情に詳しい人が必要になります。それは、世の中では「社内ヘルプデスク」と呼ばれており、自社の社員が運営している場合もあれば、外部にアウトソーシングされていたり、はたまた、組織としては明確に定義されていないにも関わらず、パソコンに詳しい人が半ば強制的にやらされていたりします。

私はこれまで、何度も、何社もの社内ヘルプデスクに関わる仕事をしてきました。その度に感じたのは、「社内ヘルプデスクに関する手ごろな書籍がない」という事でした。たとえば、自社の人で社内ヘルプデスクを運営したいと思うが、どうして良いのかわからないという場合や、ベンダに委託しようとした場合に、ベンダの提案内容が妥当なのかどうか分からない時に参照できる本がないのです。

そこで、私はこれまでの経験を「社内ヘルプデスクの作り方」という本にまとめて出版して一儲けしようと考えました。世の中には私と同じく、社内ヘルプデスクに関する手ごろな本を探している人は沢山居ると思ったのです。以前から「一度は何か本を出してみたい」と考えていた事もあり、書きはじめてみたのですが、うまく進める事が出来ませんでした。どうやら、いきなり「本を書く」という事は、ハードルが高かったようです。そこで、ブログ形式でネタをまとめなおして公開する事にしました。この方法では直接的には一儲け出来ませんが、これを元に本業の幅を広げるとか、自分の考えを整理しなおすとか、皆様からお仕事の話を頂戴するとか出来れば嬉しいな、と考えた次第です。そして将来、このブログに書いたネタをまとめて出版したいな、という期待も込めていますので、出版関係の方がいらっしゃいましたら、是非お声掛け頂ければ幸いです。

そんな感じで下心ありのブログです。皆様、よろしくお願いします。

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